「OVER THE MYSELF」フラットな目線の先にオカモトレイジが超えてきたもの|OVER THE MASK【Sponsored by PITTA MASK】

Photography: Adi Putra
Styling: Iori Yamaki
Hair: Hayate Maeda
Makeup: Chihiro Yamada
Text: Fumika Ogura
Edit: Kotetsu Nakazato

2024.3.5

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『OVER THE MASK』

2013年に「マスクは仕方なく着けるものだ」という当時の“当たり前”を疑うことからスタートしたマスクブランド『PITTA MASK』。コロナ禍以前より、マスクの持つ可能性を信じ、現在では豊富なカラーバリエーションやサイズ、デザイン性や着け心地などを追い求め、「着けることが楽しいマスク」を提案し続けている。そんなこれまでの常識を越えてきた『PITTA MASK』と同様に、あらゆる物事を越えてきた、ラランド サーヤ、オカモトレイジ、SIRUP、長谷川ミラ、Grace Aimiの5人が考える「OVER THE ◯◯(◯◯を越えてきた / 越えていきたい)」を伺うインタビューシリーズ。

音楽とカルチャーを軸に、バンド・俳優・DJ・オーガナイザーなど、ひとつのカテゴリーや、ジャンルに囚われることなく、自らの審美眼でさまざまなクリエイションを届けているオカモトレイジ。また、自身が発信するだけでなく、まだ知られていないアーティストやクリエイターを発掘し続け、新たなカルチャーや、価値観を世の中に伝えている。トレンドや肩書きに流されることなく、常にフラットな目線で物事を見てきた彼に、これまでの自身の活動を振り返りながら、どのようにして「オカモトレイジ」ならではの視点が生まれたのか話を聞いた。

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不安なのは大前提。だからこそ、自らで成功体験を作っていく

ーまず、オカモトレイジさんが音楽を始めたきっかけを教えてください。

「OKAMOTO’S」を結成したのは中学生の頃。中1から中2までは卓球部に入っていたんですが、仲の良いメンバーたちがジャムセッション研究同好会という部活に入っていて、放課後はそこの部室がアジトになっていたんです。けど、自分は卓球部だったのでその部室には入れずに、だんだん距離ができてしまって。この部屋に入りたいなら部員になれって言われて、音楽にまったく興味がなかったんですが、無理やり始めてみたのがスタートです。最初は楽器にすら触れていなかったんですが、部員だからなにかやらなきゃいけないみたいな空気があって、やりたくなかったけど、友人たちと「OKAMOTO’S」を組みました。人生で初めて組んだバンドが「OKAMOTO’S」なんです。それでドラムを叩き出して、やっていくうちにどんどん楽しくなってのめり込んでいきました。中高一貫の学校だったので、「OKAMOTO’S」もそのまま続いていった感じですね。「一緒に音楽をやろう」と、集まってできたメンバーではないので、今でも続いてるのは奇跡だなと思います。

ー部活動だったものがいちバンドとして本格的になっていく感覚はありましたか?

一切ないですね。メンバーたちとも「卒業しても一緒にやっていこう」みたいなことを宣言し合ったタイミングも一度もないですし、楽しいからこうしてずっと続いてきた感じです。ただ、「COUNTDOWN JAPAN 08/09」へ遊びに行ったときに、初めてメジャーシーンで活躍しているバンドを観て、メジャーもすごくかっこいい場所なんだなと思ったのは覚えています。その年に高校を卒業して、大学に進むメンバーは大学へ、俺はライブハウスで働き始めました。そのときは、なによりもバンドが楽しかったので、自分のなかでは大学に行く選択肢はなくて、その間にライブハウスで毎日いろんなバンドを観て、PAや照明を勉強してバンド活動にその経験をあてていきたいなと思ったんです。

ー周りが大学に進むなかで、自らの選択には不安はありませんでしたか?

例え大学に行ったとしても、将来が安定するとは限らないじゃないですか。どう転がったって不安でしかないと思うんですよ。そもそも不安があるのが大前提で、自分が今やりたいことを考えたときに、バンドだったので、そこに集中していくみたいな感覚でした。

ー音楽の軸でいうと、今はドラマーとしてだけでなくDJとしても活躍されてますよね。

DJを始めたのは高校3年生の頃です。自分たちでライブイベントをするときや、友人のイベントに出る際に、空いた時間を穴埋めするみたいなことではじめました。ドラムを叩いているときは、俺が正解だから、俺がやっていることを見に来いっていう感覚だし、お客さんも俺を見に来ているという意識でやっているので、自分が自分であることが大前提なんですが、DJはそれとは真逆の考えですね。クラブという場所は、その時その時で、全く違うジャンルの人が流動的に動いている。その場にいる客層や年齢層、ファッションを見て、その会場のバイブレーションに自分を合わせていくようなスタイルです。たまに、客層とはあえて真逆の渋めのロックをかけると、会場が盛り上がることがあるんですが、その瞬間を見ると、パフォーマンスに対してのハイブリッドさを感じられますね。

ーそれこそ、レイジさん自体もハイブリットさを体現しているような人で、音楽のシーンだけでなくイベントのオーガナイザーや、映画にも出演するなど、ひとつの肩書きにとらわれずにさまざまな活動をされているイメージがあります。自身のその柔軟性のようなものはどこからきていると思いますか?

やればできるという成功体験みたいなものをいっぱい持っているかもしれません。それこそ、21歳くらいのときに、イベントオーガナイザーとして、自分のマネジメントやレーベルなど関係なしで、企業に直接声をかけてバジェットを引っ張ってくることをやったり。地元の友人でもあるKANDYTOWNがメジャーシーンでも活躍できると思ったので、ワーナーミュージックの人に売り込みに行ったり。それでKANDYTOWNがどんどん売れていく姿を見て、俺がいいなと思うものや、やりたいなと思うことは間違ってないんだなという自信につながったなと思います。学生の頃の選択もそうだけど、基本的に不安があることは大前提なんですが、だからこそ、なにかを始めるときに迷いがないのかもしれないです。

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「OVER THE MYSELF」
興味のないものに興味を持つことで自分の可能性を広げられる

ーレイジさんが、なにかをいいなと思うアンテナの鋭さは、どんなことに対してもフラットな目線で見ているからかもしれないですね。

最近気づいたのは、自分の生活圏内にないものだったり、興味ないものに対して興味があるんだなと思いました。例えをだすと、ヨーヨーの世界大会に出ている人とか、ラバリスト(ゴムラテックスによる衣服の愛好者)の人とか。それぞれ全く興味はないんだけど、それについての話を真剣に聞くと、やっぱりおもしろいんですよね。俺は自分のなかの美学の手札を増やしていく作業が好きなんです。そういうところが、自身の今の活動範囲の広さにつながっているのかもしれませんね。

ーいち音楽家から自身の活動を広げ続けることに対して、なにか壁にぶち当たったり、物事を乗り越えてきたなと感じたことはありますか?

その都度、その都度ありますが、基本的に超えられない壁はないのかなと思います。何事もやればできると思うんです。自分の場合は、自身の知識やいいなと思うものを増やしていくことで、自身の活動やアプローチの仕方が変化してきたと思うので、超えてきたという視点から考えると、それは「自分自身」なのかもしれません。

ーレイジさんにとって、さまざまなシーンで活動していくうえでの原動力を教えてください。

自分が誰かの原動力になっていることが原動力ですかね。例えば、「OKAMOTO’S」のライブを観に来てくれているファンの方々って、みんなそれぞれの生活があるのに、わざわざ俺たちのことを時間削って観に来てくれていて。それって、本当にすごいことだと思うんですよ。だからこそ、ライブする前は、もしかしたら明日死ぬかもしれないし、このライブが誰かにとって最後になるかもしれないって思いながら、常に一番いい状態でパフォーマンスして、ファンの方へ返していかなきゃなと思っています。あと、最近だと、クラブで仲良くなった歳下のDJの子たちが、「実は『OKAMOTO’S』の出待ちしてました」とか、「高校時代、コピーバンドしてました」とか、打ち明けてきてくれたりして。俺たちの音楽を好きだった子たちが、今こうして周り回ってプレイヤーになっているのがすごくうれしかったです。「OKAMOTO’S」の音楽がかっこいいっていうままで終わらずに、自分たちの活動を見て、誰かの背中を押し続けられていたということが、改めて音楽をやっていてよかったなと思ったし、これからも続けていこうと思えました。

ー最後にこれから何かを越えたい、変えたいと思っている人に向けてメッセージをお願いします。

なにかに挑戦したいと思うことがあるだけで、めっちゃ幸せだと思うんです。その目的に向けてやれることって、いっぱいあると思うから、挑戦したいと思ったその5分後からやり始めることが大事なのかなと思います。前提として、誰も自分のことなんて見ていないし、期待もしていないし、評価されるわけでもない。だからこそ、まずはやってみることが大事なのかなと思いますね。

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オカモトレイジ

X / Instagram

幼少期から子役として活躍し、学生時代を過ごしたあと、中学時代の同級生とバンド・OKAMOTO’Sを結成。ドラムを担当する。バンドだけでなく、DJに加え「YAGI」という名前のパーティーやマーケットのイベントなど、カルチャーと音楽を軸にさまざまなイベントのオーガナイザーとしても活動。最近では、役者として映画の出演や、MVのディレクターもつとめるなど、幅広いシーンで活躍中。

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PITTA MASK

EC WEBSITE / OFFICIAL WEBSITE

10年前、白い不織布マスクが当たり前の世の中に、PITTA MASKは登場。革新的なポリウレタン素材、独自形状によるフィット感、豊かなカラバリはいまや「マスクの新たな常識」となりました。常にマスクの新たな可能性でありつづけるブランド、それがPITTA MASKです。

オカモトレイジさんが着用した<サックスブルー>を含む、全カラー全サイズのPITTA MASKを購入できるのはこちら

PITTA MASKオフィシャルサイトはこちら
アラクスの企業情報はこちら

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