「好き」を続けたい人へ。“創造性を取り戻す”実践的な講座プロジェクト「リ/クリエーション」から学べること【Sponsored】

Text: YUUKI HONDA

Photography provided: リ/クリエーション事務局

2020.7.31

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新型コロナウイルス感染症の猛威を誰が想像できただろう?

2020年の初頭から世界中で猛威をふるっている透明な驚異を前に、私たちは固く扉を閉ざし、少しでもそれらに身をさらさないよう務めてきた。

当然、誰かとリアルに顔を合わせる場面は少なくなる。それはあらゆる事象に影響を与え、変化を迫った。「創造性を取り戻す」を掲げて始まったプログラム「リ/クリエーション」も、その例外ではない。

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かつてないほどに創造力が求められる時代

2019年末から3つのコースへの参加者を募った「リ/クリエーション」。

渋谷スクランブルスクエアを拠点に、新しい社会価値づくりに挑戦するための共創施設、SHIBUYA QWS(渋谷キューズ)が仕掛けるオリジナルプログラムのなかの一つで、「遊び」「余白」の視点から、「創造性を取り戻す」実践的な連続講座として開講された。

この講座のパートナーとして、建築、ファッション、演劇、ダンスなど多様なジャンルの専門家がさまざまな企画・運営を行ってきた、一般社団法人ドリフターズ・インターナショナルが参画。

同法人から金森香(かなもり かお)、中村茜(なかむら あかね)、藤原徹平(ふじわら てっぺい)の3者がコース・ディレクターとして「リ/クリエーション」のカリキュラムを企画し、受講生たちを導いた。

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2020年3月上旬の頃の様子(Photography:高野ユリカ)

しかし「リ/クリエーション」も後半に差し掛かる2020年5月頃には、新型コロナウィルスの感染拡大を受けて、オンラインへ拠点を移行。オフラインからオンラインへ。コロナのない世界からコロナと共にある世界へ。当初の予定にはなかった展開を迎えていた。

だからこそ、「創造力を取り戻す」という言葉が一層の意義と意味を持つことになったのは言うまでもない。

未曾有の出来事が次々に起こる今このときほど、創造力が求められる時代はないからだ。

SNSでもプロジェクトの核をブレずに伝えられるか

※動画が見られない方はこちら

5月初旬に開講した「リ/クリエーション」のブーストコースは、コロナの影響をもろに受けて、課題を「コロナ時代の新しいコミュニケーションの考案」に設定。プレ講座を含む全5回の講座にさまざまなバックグラウンドを持つ講師を招き、オンライン上でワークショップを実施した。

NEUT Magazine編集長の平山潤(ひらやま じゅん)も、6月12日に行われたブーストコースの最終講座「ブレずに伝える編集術」に講師として、編集者の矢代真也(やしろ しんや)と共に参加。受講生がもともと進めていた計13個のプロジェクトのInstagramアカウントを作るとしたら、それぞれどんなアイコンやアカウント名、最初の投稿、それに付記されたキャプションやハッシュタグを作成するかの構想を宿題とした。そして平山と矢代がそれらを講評した。

プロジェクトは、演劇から音楽ユニット、ZINEからゲリラ的なアートまで幅広い。

これらまったく異なるプロジェクトを、あえて同一のフォーマットInstagramに落とし込んでもらうことで、それでもなお光る個性を発揮できているのか―ブレずに伝える編集ができているのか?―を見るのが狙いである。

この講評の詳細はYouTubeにアップされている動画や、講義後に公開された矢代のnoteに詳しいが、講師の2人がそろって好印象といった様子だったプロジェクトが「待合室」。

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駅を舞台にしたゲリラ的なプロジェクトで、改札に質問カードを置いて日常のなかで考える時間を作ったり、QRコードを入り口にしたLINEでのやり取りを通したりして、現代社会を生きるうえで孤独と向き合うプロジェクトとして企画されている。

QRコードの企画に関してはすでに始まっており、都内各所の駅にQRコードを貼り付けLINEでのやり取りを始めているのだとか。いつかあなたの最寄り駅にも「待合室」のQRコードが現れるかもしれない。

また、緊急事態宣言を機に始まったプロジェクト「今日を積む」に対しても、講師両名はポジティブな言葉で評価。

「今日を積む」は、画像検索で見つけた石(の画像)をもとに、それを模した石を新聞紙で制作し、その過程を毎日Twitter上で配信するパフォーマンスで、実際にアーティストの平本瑞季(ひらもと みずき)が実施していた作品だ。課題であったInstagram構想を経て実際に実地されているInstagramでは、制作された石の写真が緊急事態宣言を過ごす日々を綴った日記と共に投稿されることになっており、パフォーマンスに時事性を盛り込んだ実験的なプロジェクトとして関心を集めた。

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なおこの「待合室」「今日を積む」を含め、受講生が提出した13個のプロジェクトの講評においてたびたび問われていたのが、「このアカウントは何を伝えたいのか?」である。

企画者のプロフィールは? プロジェクトの内容は? リアルならば会場はどこなのか? 日時は? などなど、最低限の情報がなければ、興味を惹かれてもフォローなど次のアクションに繋がりづらい。

無数に存在するInstagramアカウントのなかで、埋もれないよう差別化するのは当然だが、演出が過ぎると一見では理解されない。そのためある程度の分かりやすさも求められるとの指摘は目立った。

極論、タイムラインに流れてくる情報のなかで、少しでも面白いと思わせれば成功なのだが、一歩先に踏み込んで、具体的なアクションを呼び起こせるか。その鍵は分かりやすさというシンプルな点に尽きると、そう考えさせられる講座だった。

また「ブレずに伝える編集術」が終わった約2週間後の6月28日には、3つのコースを展開した「リ/クリエーション」の総まとめを兼ねた座談会が開催。

※動画が見られない方はこちら

この座談会にもNEUT Magazine編集長の平山潤が参加し、SHIBUYA QWSの野村幸雄、ドリフターズ・インターナショナルの金森香、中村茜、山川陸、藤原徹平、そして演劇作家の篠田千明、クラウドファンディングを展開するMotionGalleryの大高健志(おおたか たけし)と「リ/クリエーション」を振り返った。

そのなかで、「ブレずに伝える編集術」で講評を受けた各プロジェクトのアップデートが披露され、そしての3コースで生まれた多様な企画をどう継続するのか、いわゆるマネタイズとクリエイティブのバランスという論点に自然と移っていった。

何事も活動を続けるためには資金が不可欠であり、そのためにクリエイティブの質をおろそかにはできない。マネタイズのために周囲の評価を下げる仕事を受けるのか、その逆をいって資金集めに奔走する、しかしそうなると自転車操業となり…この難題はどの業界にもつきものだろう。

永遠の難題ともいえる「マネタイズとクリエイティブのバランス」、これに関連する議論のなかで特に印象的だったのが、そもそも何のための事業を起こすのか、そこをブレさせないことが大事だと話す大高の言葉だった。

「雑誌であれば、100万部売れるから広告費がつくものがあれば、部数はそれなりでも広告費がつくハイブランドなものがあったりするじゃないですか」「よく100万人が見たとか言われるけれど、売り方が上手かっただけで中身は大したことはないとかよくある話で。それを言うとひがみに聞こえるから、表立っては言えないけど、だから規模と評価は相関していない」

大高は起業する際に目標を上場に設定する必然性がなければ、「赤字にならないよう継続して、ブランドを強固した上でマネタイズする」方法もあるのではと語る。

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コロナ禍によって「リ/クリエーション」が変化したように、環境という制限がクリエイティブに与える影響もある。

例えばNEUT Magazineは現在の東京を発信していると評されることも多いが、それはスタートアップとして制作費に限りがあるなか遠方への出張費がなかったため、東京で取材することが多かったという側面がそうさせた部分があり、自然と作りあげられたものだ。

これは一例だが、偶然的にせよ必然的にせよ、周りの環境に適応し、あるいはうまく付き合いながら、本来の意図からブレないキャラクターを固められるかも重要なポイントになる。それは、今回コロナ禍でプロジェクトを進めなければならなくなった13個のプロジェクトにもいえるのではないだろうか。

以上、オフラインからオンラインに場を移しながら、コロナによる激変と並行しながら、2020年6月に終了した「リ/クリエーション」の一部過程を追った。

募集期間から数えて約半年にわたったプロジェクトの意義は、コロナと共にある世界を生きるときに求められる創造力を、受講生らが発揮したときに、形となって現れるだろう。

リ/クリエーションは6月で幕を閉じたが、QWSでは「未知の価値に挑戦するプロジェクト」を推進する『QWSチャレンジ』というプログラムを定期的に行なっている。自らの感性に基づいた自発的な[問い]を持ち、多様なプレイヤーを巻き込みながら進めることができる内容であれば、分野や規模に制限なく公募を行い、採択されたチームは渋谷駅直結のプロジェクトスペースが無料で利用可能できる。

今回の13個のプロジェクトに止まらず、新型コロナと共に生きていくうえでこれから社会に必要となるプロジェクトが今後生まれてくるだろう。プロジェクトをスタートさせたい人は、そんなとき多様な人々が集まる渋谷で、プロジェクトの可能性を試してみるのもいいかもしれない。

SHIBUYA QWS

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ありふれた日常から立ち上がる雑多な問い。それらが一つの場所に集積したら、どうなるのだろう。そしてそれらが、多様な個性や領域を越えた深い知性と出会いスクランブルされたら、一体どんな化学変化が生まれるのだろう。

Social Scramble Space / SHIBUYA QWS(渋谷キューズ)ここは、渋谷から世界へ問いかける、可能性の交差点。

未来を創り出す新たな問いが、ここからはじまる。

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ドリフターズ・インターナショナル

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建築、ファッション、演劇やダンスなどのパフォーミングアーツ、グラフィックデザイン、空間デザイン、インクルーシブデザインなどの専門家が、企画・運営する。このような多領域多視点から、文化・芸術 に関するイベント・公演・シンポジウム・ワークショップ・レクチャー・トークショー 、そのほか実験的な創造活動を推進するための事業を行う。

同時に、芸術祭やアートプロジェクトの事務局運営や、まちなかを活用したイベント企画、また、多様な観客・参加者にリーチするための創造的タッチポイントを生み出す、広報・広告・プロモーションのディレクションや実務なども行う。

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