「公共の場で女性がお茶をすることが許されない国」で始まった女性たちの“セルフィー抵抗運動” #girlsatdhabas |「丼」じゃなくて「#」で読み解く、現代社会 #044

Text: NEUT編集部

Cover photography: Girls at Dhabas

2017.8.30

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公共の場は誰のものなのか?日本では道路沿いのカフェでお茶をすることや、外でくつろぐことは誰にとってもごく日常的なことだが、それが当たり前にできない地域があることを知っているだろうか。

南アジア地域では公共の場において男性優先の傾向があり、文化的基準や安全性が確保されていないことなどの理由により、女性やマイノリティの人々が外で楽しく過ごすことが制限されている。多くの女性やマイノリティの人々はそのことに息苦しさを感じている。

2016年世界のジェンダーギャップ指数のランキングにおいて、パキスタンは143位(参照元:WORLD ECONOMIC FORUM )で、世界の国の中でも特に大きな男女格差がある。南アジアの文化であるDhaba(道路沿いの大衆食堂)は、公共の場であるにも関わらず、男性優位のコミュニティ空間という見方がされているため、女性やマイノリティの人々はDhabaでのんびりとお茶することができない。

しかし今、この現状に立ち向かっている活動がある。

パキスタンのカラチから始まった#girlsatdhabasは、女性、フェミニスト、アクティビストを中心としたコミュニティであり、伝統的に女性やセクシャルマイノリティが自由に利用すべきではないと考えられている男性優位なコミュニティの空間においての差別をなくすことを訴えている。#dhabasforwoman というハッシュタグを用いて世界中に男女差別の現状と男女における制限の差をなくす働きかけを行っているのだ。周囲の目を気にすることなくDhabaでお茶したり、歩道をぶらぶらする様子をあえてハッシュタグを通してSNS上で他の女性たちとシェアしている。

さらに、この活動以外にも男性と同じように外でレジャーを楽しもうと#girlsonbikesというハッシュタグが広められている。これは女性が足を開くことがタブーと考えられているカラチでは自転車に乗る女性がほとんどいない事実に大して始まった活動だ。

▶︎ハッシュタグ・アクティビズムについてはこちら

公共の場とは誰に対しても開かれた場所であり、誰もがそこで安心して楽しむ権利があるはずだ。しかしながら、世界には外でお茶したり、出かけたりするのに恐怖を感じたりや警戒したりしなければならない人々もいる。

そこで伝統的な価値観に疑問をもち、世界にハッシュタグを通して発信しながら立ち向かっている人々をBe inspired!はサポートしたい。女性やマイノリティの人たちだけが外で存分に楽しめない現状を文化や安全性の問題によりしょうがないことだと受け止めずに、それを打破しようとするこの活動と、それに加わる女性やマイノリティの人々の勇気は素晴らしいものではないだろうか。

#girlsatdhabasでは現在、活動の存在を広げるとともにDhabaをレンタルし一定期間運営することを目標に資金集めを行なっている。この活動を支援したい方はこちら

※こちらはBe inspired!に掲載された記事です。2018年10月1日にBe inspired!はリニューアルし、NEUTになりました。

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