2017年8月、公共で「胸を見せる女性」がアメリカで多発した理由 #GoTopless|「丼」じゃなくて「#」で読み解く、現代社会 #045

Text: Shizuka Kimura

Cover photography: GoToVan

2017.9.5

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ツイッターをはじめとするSNS上で「#(ハッシュタグ)」をつけて、意見を主張したり人々に議論をするよう呼びかけたりする「ハッシュタグアクティビズム」。マイノリティの差別問題や権利向上に関するものが特に多いが、政治や社会問題、チャリティのためなどさまざまな分野で行われている。

そんな世界中で巻き起こるハッシュタグ・アクティビズムを毎週取り上げるBe inspired!の「丼」じゃなくて「#」で読み解く、現代社会シリーズ。今回は、ハッシュタグ・アクティビズムのなかでも有名な「フリー・ザ・ニップル」と同じく、女性の乳首解放を目指した「#GoTopless(トップレスになれ!)」を紹介したい。

アメリカで2007年に、公共の場で女性の乳首解放が社会的受け入れられる事を目的として立ち上げられた“Equal Topless Rights(トップレスになる平等な権利)ムーブメント”。「ビーチや公園で男性はトップレスでいられるのにどうして女性はだめなの?」という疑問を投げかける。日本では、特に東京では男性もトップレスになる文化があまりないため、このムーブメントの趣旨が掴みづらいかもしれないが、アメリカの気軽に男性がトップレスになる地域では身近な問題なため特に議論の対象となっている。ちなみにスペインやフランスなどヨーロッパの一部ではビーチで女性がトップレスになるのは比較的普通らしい。

#GoToplessの裏には、女性に対する性的暴力、広告などで女性を性的対象として必要以上に描く社会問題などについて話すきっかけを作る目的もある。

今年8月にはアメリカのいくつかの街でマーチが行われ、人々がそれをSNSで発信し、オンライン上ですでに議論がたくさん生まれている。下記のような異なる意見がネット上で飛び交った。

・女性の胸は性的対象として社会に構築されたアイデアだから解放されるべき

・男性と女性の体の作りは違う。女性の胸は子どもに授乳する役割があって、男性の胸にはその役割はない。だから扱いが違うのはそれこそナチュラルなことだ

・乳首解放運動の参加者には若い白人女性が多くて、有色人種や年齢層が上の人を排除している

このムーブメントは本当に必要か、排他的にはなっていないかなどの懸念点があげられているが、大切なのは間違いなくこういった議論が生まれているという事実。ハッシュタグムーブメントは簡単に世界中に広がり、気軽に議論に参加できるところが強みかもしれない。

ぜひみなさんにはBe inspired!を議論の場として利用し、この乳首解放運動について思うことをフェイスブックやツイッターでコメントをしてほしい。

※こちらはBe inspired!に掲載された記事です。2018年10月1日にBe inspired!はリニューアルし、NEUTになりました。

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