「男は泣いちゃいけないの?」“男らしさ”という古臭い常識を覆すグローバルキャンペーンとは #isitokforguys|「丼」じゃなくて「#」で読み解く、現代社会 #041

Text: NEUT編集部

Cover photography: Amin Moshrefi

2017.8.8

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男性はどうあるべきだと思っているだろうか?「たくましくなければならない」とか「家族を養わなければならない」とか。そんな考えを自分に押し付ける男性もいれば、当事者でなくても男性にそういったステレオタイプを男性に押し付けてきた人もいるだろう。

日本でも売られている男性用の制汗剤やシャンプーのブランド「AXE(イギリスではLynxの名称で販売されている)が、イギリスとアメリカでとあるキャンペーンを始めた。それは、古典的な“男らしさ”に対して異を唱えるものだという。

▶︎ハッシュタグ・アクティビズムについてはこちら

男性が背の高い女性と付き合ってもいいの?ウェブサイトで男性が聞きたい質問を見てみよう。#ISITOKFORGUYS

#ISITOKFORGUYS」(#男性が〜〜してもいいの?)と名付けられた同キャンペーンは、いじめ防止に取り組む機関「Ditch the Label」のサポートを受けて行なわれている。キャンペーンの動画で描かれているのは、日本でもよく聞く「男性なのに〜〜なの?」という根拠のない言葉に悩まされる若い男性たち。

そこで彼らの頭に浮かぶ言葉は、「スポーツが好きじゃなくてもいいの?」「不安になってもいいの?」「童貞でもいいの?」などだ。“男性はこうあるべき”という考え方が男性の多様性を否定していることがおわかりだろうか。言うまでもなく、不安になりやすい男性もいればそうでない男性もいる。他のことについても同様だ。

※動画が見られない方はこちら

調査によると、57%の男性が“男性とはこういうものだ”や“男らしくなれ”とステレオタイプ的な価値観を押し付けられて育ったという。その期待に応えられない自分自身に落ち込む男性がいるだけではなく、そんな男性がいじめられたりからかわれたりすることが多く起きているのが問題だ。(参照元:Ditch the Label

そんな問題をなくすために立ち上げられた本キャンペーンには、歌手のジョン・レジェンドが参加しており、その他にも#ISITOKFORGUYSがついたキャンペーンに賛同する人々の声がSNS上では見られる。

男たちは答えを探そうとしているけど、“男らしさ”は1つではない。#ISITOKFORGUYS

私は男性に期待されるものの大きさと、それで男性には権利上の特権があると言われることにうんざりしている。#ISITOKFORGUYSに賛同する。

Lynxのキャンペーンはあらゆる男性をサポートしていて素晴らしい。男の子が不安な気持ちを受け入れられるように手助けしているんだ。#ISITOKFORGUYS

 

人々が男性の多様性について考えることは、残念ながら少ない。強さを見せる女性よりも弱さを見せる男性のほうが社会的に受け入れられていないのはなぜだろう。

男性の多様性について、AXEのような“男らしさ”や“女性にモテること”を強調してきたブランドが率先して取り組むことは非常に重要な意味を持つのだ。イギリスやアメリカと同様に「男性はこうあるべき」という考え方が根強い日本でも、今回紹介したようなキャンペーンが展開されることはあるのだろうか。

※こちらはBe inspired!に掲載された記事です。2018年10月1日にBe inspired!はリニューアルし、NEUTになりました。

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