紙カップはリサイクル不可能。サードウェーブコーヒーを飲んでても、紙カップを使っていたら意味がない理由 #OceanRescue|「丼」じゃなくて「#」で読み解く、現代社会 #037

Text: NEUT編集部

Cover photography: Maria Vernigora

2017.7.11

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学校や職場に行く前にコーヒーを買う習慣のある人は多いのではないだろうか。目を覚まし、冴えた頭で授業や仕事に取り掛かるために欠かせないものかもしれないが、そのコーヒーを「紙カップ」で買うことが環境に多大な影響を与えている。

それはコーヒー用の紙カップの多くがリサイクルできない素材で作られているからで、世界では毎年500億個もの紙カップが埋め立て地に運ばれており、その数は1分間で約10万個という計算になる。

カフェでコーヒーをテイクアウトするときに通常使われる紙カップにはプラスチックが使用されており、再利用しにくいだけでなく燃やすと汚染物質を大量に放出する。したがってゴミとして捨てられたあとは埋め立て地に運ばれ、土に還ることなく一生残り続けるのだ。これは環境を汚染するだけでなく地球温暖化の主要な原因の一つとなっている。(参照元:Sky Ocean Rescue

そこでイギリスで衛星放送やストリーミング配信などを手がける企業スカイは「Sky Ocean Rescue(スカイ・オーシャン・レスキュー)」と名付けたキャンペーンを行なっている。その一環で彼らはSNSを通じた#OceanRescueのハッシュタグを使った啓発活動を行なうなど、メディアの力を生かして地球規模の環境問題への対策を呼びかけているのだ。

▶︎ハッシュタグ・アクティビズムについてはこちら


堆肥化やリサイクルのできる紙カップの開発に取り組むコーヒーチェーンの紹介

紙カップのリサイクルマシンの開発を目論む企業の紹介

#OceanRescueでは紙カップのもたらす環境問題への解決策を考案しようとする企業の取り組みを人々に広めたり、個人が普段の生活のなかでできる対策を紹介したりと社会全体を巻き込んだ活動を展開している。

「カフェには自分のタンブラーを持っていく」「同じエコバッグを長く使う」「ウェットティッシュではなくタオルを使う」など身近な対策の呼びかけ

さて、使い捨ての紙カップより繰り返し使えるタンブラーのほうが「エコ」だという漠然とした認識は多くの人が持っているだろう。だが、それは人々が思っている以上に環境を保全するのに役立つようだ。

コーヒーを買うのが毎日の習慣になっている人は、その習慣をやめるのではなく変えることで環境問題の抑制につなげられる。買ったコーヒーを持ち歩きたいなら使い捨ての紙カップはやめて、タンブラーや水筒を使えばいい。こうして毎朝の習慣を少し変えるだけで環境に対して何かできるなら、私たちもモチベーションを保ちやすいだろう。

※こちらはBe inspired!に掲載された記事です。2018年10月1日にBe inspired!はリニューアルし、NEUTになりました。

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