何気ない一言が命取り。日本でも日常的に起こる「ボディ・シェイミング(体型の誹謗中傷)」の危険性 #TheySaid|「丼」じゃなくて「#」で読み解く、現代社会 #034

Text: NEUT編集部

Cover photography: Helena Lopes

2017.6.19

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「自分の体型」について、他人からとやかく言われたことはないだろうか。「そんなに食べると太るよ」や「もう少し痩せた方が可愛い」など、どんな体型をしている人でも何かしら言われたことがあるだろう。

そんな思い返すとイライラしたり、ムカついたりしてしまいそうな「ちょっとした一言」を共有するムーブメントがツイッター上で起きているという。

▶︎ハッシュタグ・アクティビズムについてはこちら

12歳のとき、父に「そうやって食べ続けていると丸々に太っちゃうよ」と言われた。これをリツイートして、body shaming(ボディ・シェイミング)な発言を共有してください。#TheySaid

アメリカ・シアトル発の女性向けスポーツブランド「Oiselle(オゼル)」の創始者でCEOのSally Bergesen(サリー・バーゲセン)の呼びかけによって始まった、#TheySaid(彼らは言った)のハッシュタグ・アクティビズム。

このアクティビズムの背景にあるのは、Body shaming(ボディ・シェイミング)と呼ばれる概念。これには「相手の体型についてとやかく言うこと」また「その体型が恥だと思わせること」、そして「自分の体型を人と比べ、恥ずかしいと思うこと」の意味があり、太っている/痩せすぎている、胸が大きい/小さい、背が低い/高いなど、あらゆる身体的な特徴に対して使われる。(参照元:Oxford Living Dictionaries, Urban Dictionary

#TheySaidでは、「自分の体型について何か言われてプレッシャーをかけられ、自分の体型を恥じる原因となった他人の一言」が共有されているのだ。

8歳のときに母に言われた。「彼に好きになってほしいなら、痩せなきゃいけないのはわかってるでしょ?」#TheySaid

#TheySaid「今晩食べているスパゲッティは、お前の病的に細い体より太いな」と父が13歳の私に言った

「あなたが痩せていたら、とてもきれいだったのに」#TheySaid

クラスメイト:「あなたの今の体型いい感じね、そのサラダが効いてるんだよ!」。
私は13歳で、毎日昼食を抜いていた。#TheySaid

ボディ・シェイミングは人にどんな悪影響を及ぼすのだろうか?他人の体型について何か言った本人は、悪気はなかったのかもしれない。だが、その「たった一言」は相手を傷つけるだけでなく、相手が自身の体型を嫌う原因にもなる。そして摂食障害を誘発したりストレスで病気にかかる可能性が高まったりと、さらなる悪影響を及ぼすこともあるのだ。(参照元:The New York Times, Upworthy

どんな体型の人でも生きやすい社会になるように、これから育っていく子供たちがどの成長過程においても自分の体型に対してポジティブでいられるように、「人の体型に対して他人があれこれ言う文化」をなくしていくことが重要ではないか。

※こちらはBe inspired!に掲載された記事です。2018年10月1日にBe inspired!はリニューアルし、NEUTになりました。

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