「都会にこそローカルコミュニティを」。消費の中心地【原宿】で、ある青年が“商い以外”のことを始めた理由|都会のローカルコミュニティ、「原宿キャットストリート CATs」の活動日誌。#000

Text: Genki Nakamura

Photography: Jun Hirayama unless otherwise stated.

2019.2.14

Share
Tweet

初めまして、こんにちは、CATs(キャッツ)の中村元気(なかむら げんき)です。
CATsってなんだよって話なので、説明から始めようかなと思います。簡単にいうと、原宿の裏通りにある、個性的な店舗の立ち並ぶキャットストリートのお店の人を中心とする人たちと始めた地域コミュニティです。これの根底には「消費の中心地」といわれる原宿だからこそ「消費」について考え、都会だからこそ「困ったときに助け合えるような関係性」を作りたいという共通した思いがあります。

立ち上げたのは5年前で、今では地域の商店の方や町会の方、よく遊びに来る方も活動に参加してくださるようになりました。実は始めた当時は自分も、よく活動に参加しているNEUT Magazine編集長も学生でした。彼とはキャットストリートの飲食店でバイトしていて、飲み会に来てくれて知り合い、今でも仲良くしています。本当に多種多様な方が参加して、幅広いつながりができる活動です。今回はNEUTで連載「都会のローカルコミュニティ、『原宿キャットストリート CATs』の活動日誌。」を始めるにあたって、そもそも僕が今のような活動を始めたきっかけについてお話ししたいと思います。

width="100%"
中村元気さん

なんで始めたんだろう?

うーん、後から美化しているような気もしますが、思い出してみます。始めたのは大学4年生になる春の時期でした。大学は駒澤にあり原宿にも近く、古着が大好きで原宿の古着屋さんに通っていました。ちょうど流行っていたこともあり、ファッションスナップを撮って発信する学生団体を仲間とやっていました。最初は好きなスタイルの人を見つけて撮っていたのですが、だんだんといいね数などを気にするようになり、雑誌を見て流行りのスタイルを撮るの繰り返し。だんだんと活動に飽きてきていた時、アパレル産業でオーガニック認証やフェアトレード認証を広げるという視点で活動している方たちにお会いしました。

全ての服がそうではありませんが、例えば服が出来るまでに、多くの農薬が使われていて、その農薬がそこで働く人たちを苦しめていること。また、干ばつの起こる地域の水を大量に使っていること。生産工程において、非人道的な賃金、労働環境を強いられている人たちがいること(映画『ザ・トゥルー・コスト』に描かれているようなこと)。こういったことが起きているという事実を知らずに、ただ「服が好き」と言っていた自分が急に恥ずかしくなり、このストーリーををもっとたくさんの服好きに知って欲しいと思い、違う活動を始めるためにスナップ活動をやめました。

キャットストリートで活動のきっかけに出会う

width=“100%"

width="100%"
1月19日に行われた、2019年第一回目のCATs cleanup(キャッツ クリーンアップ)での様子
Photography: Shiori Kirigaya

そうして服好きの人が集まって、「より良い消費」を考えるための活動を、消費の中心地、原宿でやりたいなあと思いながら原宿のキャットストリートをぶらぶらしていた時に、Patagonia(パタゴニア)(当時は環境活動をしている企業ということも知らなかったし、アウトドアブランドも流行っていなかった)の前でシルクスクリーンプリントを刷ってくれるアーティストのおじさんの風間ナオミさん(のちにCATsのロゴを制作してくれた)に出会いました。

活動についてのアイデアを口にしたら話が盛り上がり、そのままPatagoniaのスタッフの香川真輝(かがわ まさき)さんを紹介してくださり、数ヶ月後にキャットストリートに落ちているゴミを拾うクリーンアップを開催することになります。これについては次の連載で詳しくお話しします。それ以外には、原宿で拾った落ち葉を使ったコンポスト(堆肥)作りをしたり、廃棄処分される予定の食材を使った料理を振る舞ったりするなど、楽しくて地域のより良い循環につながるような活動に多く取り組んでいます。

渋谷の土地のこと

5年間活動する中で、渋谷を拠点にして活動する人にたくさん出会いました。そこで思ったことは「本当に渋谷という土地のことを考えているのか?」ということ。地方活性化の話をするときは、その土地の課題が真っ先に出てきますよね。渋谷のようにたくさんの人が来る土地だからって地域の課題がないわけではないし、渋谷はただのステージではないんです。5年活動していく中で、参加者には「街が好きになりましたか?」と問いかけるようになりました。一面的な街の姿ではなく、人も風景も楽しみも問題も全部合わせて好きになりたいし、その場所のために何かしたいと常に考えています。

width=“100%"

どんな連載してくの?

つらつら活動の始まりからどんなことを伝えたいのか書いてきましたが、これからどんな連載になるのか。キャットストリートで出会った人と、それをきっかけに始まったさまざまなプロジェクトの話。その人や活動のことをもっとたくさんの人に知ってもらうために紹介したいと思っています。こんなに魅力的な場所なのに、ただのショッピングストリートとしての側面しか知らなかったら寂しいと思いませんか?キャットストリートに来た人が街を好きになって帰れるように、お金を使わなくても楽しいキャットストリートの歩き方をご紹介していきます。

中村元気(Genki Nakamura)

Instagram

1992年、埼玉県生まれ。 原宿のキャットストリートという通り沿いで地域活動 CATsを始める。地域に関わる様々なレイヤーの人達と居心地のいい街を作るために日々活動中。消費の中心地だからこそ、クリーンアップなどお金では手に入らない人間関係を作る活動や、表参道の落ち葉を使ったコンポストなど生産側になりゼロから価値を生み出すアクションを実験的に行う。それ以外の活動には都市型屋上農業や、地域のみんなで行うキャンプや山登りなどがある。また、2018年には地域のゴミ問題の根本解決を目指すために「0 waste=ゴミ・無駄のない」ライフスタイルの提案を行う530weekという活動を立ち上げ、5/30にイベント開催を予定。

width=“100%"

CATs

Facebook

東京の中心で昔ながらの商店街のような空気感を持つ、CAT street で働く人たちがメインのコミュニティ。商いをする人たちが、商い以外の活動を通して繋がっている。”ACT DIFFERENT” というコンセプトを掲げていて、消費の中心地、原宿で日常的に消費について考え、行動できる仕組みを作ったりもしている。

目的:
*都市の真ん中で、地域に関わる個人や店舗が有機的につながること
*地域に関わる人が、当たり前の日常に少し変化を起こすこと
*地域に関わる人が、生活に必要な物だけを選ぶライフスタイルが浸透すること

活動:
*Cleanup
*Compost
*CAFE SHIBUYAGAWA
*CAMP CLUB
*Meetup

width=“100%"

CATs cleanup vol.60

Facebookイベントページ

今回でとうとう60回目のクリーンアップ。始めるきっかけになった日を今でもはっきりと思い出します。だんだんと増える仲間たちとこれからも一緒に原宿のことを考えていきたいと思っています。

60回の記念の回なので、今回もステッカーを制作しています。今回はTHE ROASTERYのバリスタでイラストレーターのタイキくんが描いてくれています!!ぜひ参加して手に入れてください!!

これからも多くの参加者が原宿を好きになりますように。

日時:2/16(土)9:00-10:30
集合場所:Patagonia Shibuya Store前
持ち物:オープンマインドとマイカップ

width=“100%"
Share
Tweet
★ここを分記する

series

Creative Village