「あなたは私たちの大統領じゃない!」世界80ヵ国で行われたトランプへ怒りの行進 #WhyIMarch|「丼」じゃなくて「#」で読み解く、現代社会 #010

Text: NEUT編集部

Cover photography: Samantha Sophia

2017.1.29

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皆さん、こんにちは!ハッシュタグ・アクティビズムの連載が10回目を迎えました。最近もハッシュタグを使った運動が多数起きているようです。現在、盛んに行われている抗議活動といえば何が思い浮かぶでしょうか?

1月20日のトランプ氏の大統領就任式にあわせて、アメリカの首都ワシントンD.C.をはじめ全米や世界各地で抗議デモが行われました。主催団体によると23日午前1時現在で世界約80カ国670カ所で約480万人が参加しており、就任式の翌日以降も同様なデモが行なわれていることから、全体の規模はさらに大きいものだと考えられます。またワシントンD.C.での参加者数は約50万人で、1963年に行われた人種差別撤廃を求めるワシントン行進の約20万人を大きく上回っているのです。(参照元:朝日新聞デジタル

これには皆さんもご存知のマドンナやリアーナ、スカーレット・ヨハンソン、エマ・ワトソン、ケイティ・ペリー、マイリー・サイラス、マイケル・ムーア、ウーピー・ゴールドバーグ、そしてオノ・ヨーコらの多くの有名人も演説したり実際に行進したりと加わっています。彼女たちは何を主張したかったのでしょうか?

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Image: Women’s March on Washington

世界各地で起きていたのは、トランプ氏の女性差別的発言や人種差別的発言などマイノリティ差別に抗議するデモです。これは、建国以来多様な移民によって発展してきた国を白人男性中心にしようとするトランプ氏の後進的で差別的、かつ排他主義的な考え方に反対する意思表示なのです。女性団体、アフリカ系アメリカ人団体、セクシャルマイノリティ団体が主なグループとして行進していて、特に「ウィメンズ・マーチ」と称する女性の権利を訴えるデモ行進が最も規模の大きいものでした。彼らは#WhyIMarch(私が行進する理由)のハッシュタグを用いて運動をしています。

ウィメンズ・マーチの呼びかけ動画
※動画が見られない方はこちら

ドラマ「アグリーベティ」で主演を務めたホンジュラス系アメリカ人女優アメリカ・フェレーラのウィメンズ・マーチでのスピーチは以下です。

私たちはイスラム教徒の同胞を貶めることを許しません、私たちは黒人の同胞に対する組織的な殺人への終わりを求めます、私たちは人工妊娠中絶の権利を諦めません、私たちはLGBTQの家族の前進を止めたりしません。(引用元:RBC NETWORK BROADCASTING

この反トランプデモですが、私たちの住む日本では日比谷公園を中心に行なわれました。アメリカでの抗議デモと同様に女性の権利問題について、そのなかでも人工妊娠中絶などを行なう医療NGOプランド・ペアレントフッドへのアメリカ政府からの助成金停止への反対を訴えていたようです。(参照元:AFPBB News

現在世界各地で多くのデモが起きている背景には、デモをしたからといってトランプ氏が政権の座から降りることはないにしろ、納得のいかないことがあるなら行動に移すべきだという考えがあるからです。日本では「デモ」といえば、過激で否定的なイメージがあるかもしれません。しかし、反トランプデモに参加する多くの人はあくまでも暴力的な手段ではなく、平和的なデモを行なっています。「デモ」という目に見える自己主張の方法を皆さんはどう考えますか?次回の連載もお楽しみに!

※こちらはBe inspired!に掲載された記事です。2018年10月1日にBe inspired!はリニューアルし、NEUTになりました。

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