「暑すぎて死ぬ」が冗談じゃなくなる時代はもう目と鼻の先

2017.6.30

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「暑すぎて死ぬ」。

真夏にあんまりにも暑いと、何も考えず不謹慎だがつい口に出してしまう言葉だ。しかし、この言葉は恐ろしくも、現実となってきている。

ハワイ大学の研究者が2017年、7月19日に出した研究結果によると、1980年から2014年の間に36各国で「暑さによる死亡」が783件も確認されたという。今、世界中の30%の人口が1年間で少なくとも20日間は致命的な暑さに晒されているというのだ。

さらに、人類がこのまま温室効果ガスの量を増えさせ続けると、2100年には人口の4分の3が致命的な暑さに晒されることとなると判明。もしも温室効果ガスを減らせたとしても、2人に1人は同じ状況に直面する。

この研究を筆頭したハワイ大学のカミロ・モラ氏は、この恐ろしい事実に危機感を抱き、「死者の出る熱波はありふれたものになっている。なぜ社会としてこの危機に関心を向けることがないのか、理解できない…2003年に発生したヨーロッパの熱波では、約7万人が死亡した。これは、9・11の死者数の20倍以上にあたる。」と発言している。(引用元:NATIONAL GEOGRAPHIC

いうまでもなく、この問題はまず暑い国に住んでいる人々を襲うだろう。しかも、危機のときとなったら、経済的ステータスが生死の差を生むだろう。経済的に恵まれ、冷房環境を家庭に整えられ、オフィスで働く人と、そうではない人たちの差は「死」となって現れるのだ。すでに、2017年ではインドとパキスタンで20人を超える人が53.5℃という猛暑に命を奪われた。(参照元:NATIONAL GEOGRAPHIC

2017年6月1日にトランプ大統領がアメリカのパリ協定離脱を表明し、世界中に波紋を呼んだ。なんとなく「国際ニュース」として他人事のようにニュースを流し見していたかもしれない。しかし、米国は二酸化炭素排出量が中国に続き世界第2位。(参照元:GLOBAL NOTE)その米国がパリ協定を離脱することの地球温暖化問題へのインパクトは大きいだろう。この問題は他国の政治どうのこうの、という話ではないのだ。人類の存続に関わる問題である。日本の二酸化炭素排出量は悲しくも世界第5位。米国、日本をはじめとする世界中の国がひとつなってこの問題を深刻に受け取らなければ、人類の未来は絶望的だ。

※こちらはBe inspired!に掲載された記事です。2018年10月1日にBe inspired!はリニューアルし、NEUTになりました。

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