haru. × ノイハウス萌菜が考える、NIKEの「宇宙ゴミ製スニーカー」SPACE HIPPIEの意義【Sponsored】

Text: YUUKI HONDA

Main Visual: Julie Giesen
Photography provided: haru. ,ノイハウス萌菜, NIKE

2020.6.10

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この記事は、NIKEとのコラボレーション記事です。NIKEのアプリ「SNKRS」でharu. × ノイハウス萌菜からのビデオメッセージを配信&本記事に登場するSpace Hippieを販売予定なので要チェック!

今、多くの業界で気候変動に関する議論が行われている。

ファッション業界に限って言えば、近年最大の争点だ。さまざまなファストファッションブランドもそれぞれ目標を打ち出して環境問題への取り組みを始めているが、規模の大小を問わず無視できないトピックになりつつある。

大手ブランドが同時期に続々と環境問題に対する取り組みを始めているのには、消費者の需要の変化が理由の一つに挙げられるだろう。2019年はニュースでスウェーデンの環境アクティビスト、グレタ・トゥーンベリの姿を見ることが多かったように、世界規模で環境問題への関心は高まり続けており、企業もそこに対する思想を示さなければ、そう遠くない未来に消費者が離れていくのは目に見えている。

スポーツブランドのNIKEも、何年もの間サステナビリティに取り組み、今や年間10億本以上のプラスティックボトルを再利用してスニーカーやアパレルを生産している。2019年には「Move to Zero*1」をスタートさせ、以前にも増して積極的にアクションを起こしているそんなNIKEが新作「”SPACE HIPPIE COLLECTION(スペース ヒッピー コレクション)”」を、2020年6月11日に発売する。

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SPACE HIPPIEとは、ナイキにとっての「宇宙ゴミ」ともいえる工場の床に廃棄されるスクラップを蘇らせ、循環性を重視した大胆なデザインに仕上げた実験的なフットウェアコレクションだ。ラインナップされた4種のスニーカーは、それぞれ重量の25%〜50%以上に再利用素材(自社製品の製造工場から出た廃棄物など)を使用して作られているため、NIKE史上最も少ない炭素排出量を記録。

シューズボックスも従来のものではなく、再利用素材を使用したものを採用。配送の際にはこのシューズボックスに直接伝票が張られるため、最低限の梱包素材しか使用されない。またこのシューズボックスを彩るプリントには、植物由来のインクが使われている徹底ぶりだ。

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左からharu.と萌菜
2人に実際にSPACE HIPPIEを試してもらった。

今回NEUTでは、そんなNIKEの新作スニーカーSPACE HIPPIEを起点に「ファッションブランドの将来像」を考えるため、NEUT Magazine編集長のJUNをモデレーターに、インディペンデントマガジン『HIGH(er) magazine』の創刊編集長であり株式会社HUGの取締役として、アーティストやクリエイターのプロデュースまたはマネジメント事業を行うharu.と使い捨てプラスチックがもたらす諸問題について伝える「のーぷら No Plastic Japan」発起人ノイハウス萌菜を招いてZoomで対談を行った。カルチャー面で若者を中心に支持を集めるharu.と日々“ゆるく”みんなができるような環境活動について発信する萌菜の会話から、今若者が求めるブランドの姿が見えてきた。

NIKEのアプリ「SNKRS」でharu. × ノイハウス萌菜からのビデオメッセージを配信&本記事に登場するSpace Hippieを販売予定なので要チェック!

(*1)二酸化炭素と廃棄物排出ゼロを目指すNIKEの包括的な取り組み。2030年までにサプライチェーンにおける二酸化炭素排出量を30%削減、2050年までに所有・運営施設を100%再生エネルギーで稼働など、具体的な課題を挙げて取り組んでいる。今夏発売予定のMove to Zero アパレルコレクションは、NIKEの循環的デザインの理念実現へのコミットメントを象徴するもので、プロダクトの素材として持続可能なコットンや再生ポリエステルを使用している。

環境問題へのメリットと自分へのメリットを一緒に考える

ーSPACE HIPPIEはNIKEの気候変動問題に対するアクションとして生まれたスニーカーだけど、それについてを語る前に、まずは2人が普段から環境問題に対してやっていることが知りたいです。

萌菜:のーぷらとか自分の他の活動以外で、日常的にしていてパッと思いつくのはマイバッグを持つこと、紙を無駄にしないこと、何かを買うときに環境負荷について考えることですね。

haru.:私はビニール袋をもらわない、シャンプーやボディソープは詰め替える、マイボトルを持つとか。あと自分で料理をするときはあまりお肉を食べないかな*2。最近は会社にお弁当を持って行ってるよ。

萌菜:こういうのは続けることが大事だと思ってて。環境問題のメリットだけを考えるんじゃなくて、自分にとってのメリットがあるから続けられるんだと思う。

haru.:そうそう。環境もそうだけど、自分にとって良いことになってないと続けられない。

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萌菜:具体的なことでいえば私、最近お米屋さんやお豆腐屋さんにタッパーを持って行って、お米とお豆腐を買っているんですね。スーパーにあるものより安いし、おいしいし、包装のゴミを減らすことで環境負荷も抑えられるし良いなって。

haru.:あ、私もこの間近所のお豆腐屋さんで買い物した。ローカルのお店で商品を買えば地域への貢献にもなるし良いと思う。コロナで外出自粛していたから行動範囲が狭くなって近所で買い物する機会が増えて、近所を知るきっかけになったかも。

萌菜:環境問題ってすごく大きな問題だからこそ、個人がやる分にはあまり難しく考えなくて良いと思ってて。大きなアクションを起こすときは、会社やムーブメントとか大きな枠組みに参加して、みんなと一緒にやればいいと思う。

(*2)家畜の放牧地や家畜用の飼料の生産するための大規模な森林破壊や、家畜の排せつ物などが原因で、畜産業は大量に温室効果ガス(GHG)を排出している。環境問題に積極的に取り組んでいる先進国では肉離れの動きが広がっている。

環境への配慮が「売り」になるべきではない

ー今回のNIKEもそうだけど、企業やブランドが起こす環境問題へのアクションについてはどう思う?

haru.:私の身近なブランドも意識が高いところが増えてきてる。友達がやってる移動式の「Blanche Market」っていうヴィンテージショップがあって、その子たちも環境問題に取り組んでるんだけど、無理してないの。「楽しみながらエコについて考えるのがクールじゃない?」って言ってて、すごく共感する。あとは去年「EMILY WEEK」ってブランドと、ウェブメディアのShe isと一緒に「#helloperiod」ってサニタリーショーツを出したんだけど…

萌菜:あ、そのブランドちょうど今着てます!

haru.:本当ですか! すごくいいですよね! 「bioRe cotton(ビオリコットン)」というオーガニックコットンを使用することで環境に配慮してるし、形も色もかわいいし、女性の体にも優しくて。思想がちゃんとあって、なおかつクリエイティブも良くないと選ばれないと思う。

萌菜:うんうん。環境への配慮を売りにしたブランドが増えてるけど、それが当たり前になるのがいいなと思ってる。

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haru.:海外のブランドはエシカルやサステイナブルって言葉を押し出さずに、実はそうなんですっていうパターンが多い気がする。環境のことを一番に考えたら、そもそも作らなければいいじゃんって話だから、エシカルファッションって言葉は矛盾してるんだよね。

萌菜:そう。ステンレスストローも作るときめちゃくちゃ悩んだ。ストローも使わないのがベストだけど、まだまだプラスチックストローが使われているから、「使うならプラスチック製かステンレス製かどちらがベター?」って会話のきっかけになればいいなと思ってる。

haru.:私だってマガジンを作るまでにかなり紙を使ってるけど、それでも紙媒体として残すだけの価値やストーリーがあるものを作ろうって覚悟があるから作ってる。

萌菜:何かを作る人みんなにそういう覚悟があると、良いものしかできないのかなあって思ったりします。

「意識低い系」よりは「意識高い系」って言われたい

ー昔はエシカルやサステイナブルの領域で活動している人と、クリエイティブにこだわりがある人との交わりが少なかったけど、最近は変わってきてると思ってて。でもそうやって頑張っている人のことを、「意識高い系」って言葉で冷笑する雰囲気がまだあるのは課題だよね。

萌菜:でも「意識低い系」よりは「意識高い系」って言われたいかも(笑)。

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haru.:そうだよね(笑)。なんで「意識高い系」に嫌悪感があるのかなと考えたんだけど、たぶん「お前もそうしろ」って自分の正義を押し付ける人がいるからだと思うの。「意識高い系」への嫌悪感って、本当はそういう人への嫌悪感だと思うな。このトピックについて考えないといけないことなんて少し勉強すれば分かることだしね。

萌菜:なるほど、確かにそうかも。

haru.:意識が高いっていろんなトピックに関してアンテナを高く張ってて、自分の意見もあるってことだと思うの。ドイツに住んでいたときに同級生にリサっていう子がいて。その子めちゃめちゃ頭良くてクラスで一目置かれる存在だったのね。でもすごく音楽とかも詳しいし、アートも好きで一緒に舞台を見に行ったりしてた。そんな彼女がGREENPEACEに入ってて、haru.も調べてみてねって言われて素直に興味持ったもん。人にも環境にも優しく接する彼女はかっこいいわけよ。思想が一貫してて。

ー環境問題を身近に感じてもらうためには自分の考えを押し付けない、思想だけではなくクリエイティブの質も担保するという意見がこれまでに出たけど、この他にもあると思う?

萌菜:ブランドのなかにいる人の個人の声を出すのも大切だと思う。私ものーぷらの活動をするとき、最初は顔出ししないでやってたけど、出したほうが親近感が湧くって意見をもらって。

haru.:「10YC」もそんな感じで良いよね。たぶん環境への取り組みも、プロダクトの性能も、ストーリーも、生産背景も、作ってる人も全部見せて、そのうえでクリエイティブであるっていう総合的なアプローチが大事なんだろうね。NIKEもSPACE HIPPIEを作っている工場や、担当者へのインタビューを映した動画を公開してたよね。食べ物って生産者の顔が見えたり自分で栽培することもできたりするけど、スニーカーってどうしても買わないといけないじゃない?だからNIKEみたいな大企業が責任を持ってこういうスタンダードを塗り変えるような取り組みをするのはとっても大事なことだと思う。

※動画が見られない方はこちら

「素材感がそのまま残っていたりして完璧じゃないのが逆に面白い」

ー実際にSPACE HIPPIEを触ってみてどう?

haru.:もちろんNIKEのクオリティなんだけど、素材感がそのまま残っていたりして完璧じゃないのが逆に面白い。履き口の包帯っぽい感じが個人的にすごい好きだなあ。あと意図的なのか分かんないけど、デザインがごちゃごちゃしてるから自分でカスタムしたくなる。

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萌菜:私は繊細なシューレースが好きだな。ガジェットっぽい見た目も好み。あとNIKEが環境問題に取り組むってだけでインパクトが大きいよね。この試みが受け入れられるかどうか分からないまま挑戦したのもすごく良いと思う。

haru.:私はあまりヒッピーについて詳しくないけど、このSPACE HIPPIEって名前からイケてる思想集団ってイメージを受け取ったの。宇宙で畑仕事とかしてそうな(笑)。

萌菜:私は特にスニーカー好きってわけではないんだけど、そういう層でものりたくなる名前だと思った。あとエシカルやサステイナブルって言葉が前面に出てないのが逆にいいなあ。

haru.:たしかにね。箱もすごいシンプルっていうか、見た目はただの箱じゃん(笑)?

萌菜:そう(笑)! でもだからこそ中にあるスニーカーの価値が引き立つ気がした! それに最近スニーカーを買ってない私からすれば、スニーカーヘッズのマニアックな楽しみ方や“クール”の基準が分かりにくくて。でもこれは特徴がはっきりしてるから、普段スニーカーを履かない人でも触れやすいと思う。

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NIKEが未来へ刻む一歩

取材中haru.と萌菜は、SPACE HIPPIEがNIKEにとっての単発のプロジェクトではなく、続いていく取り組みの一歩であってほしいと話していた。

今後ファッションブランドは環境負荷に対する取り組みや思想が問われるようになり、かつクリエイティブの質が求められるようになるだろう。それはharu.と萌菜の対談の内容からもうかがえたと思う。

かつてNASAの宇宙飛行士が月面に刻んだ一歩のように、NIKEという一大ブランドが気候変動問題に対する未来へ刻む一歩、その記念碑的なコレクションを、ぜひその足で確かめてほしい。

「”SPACE HIPPIE COLLECTION(スペース ヒッピー コレクション)”」

Website

環境問題へのアクションとしてNIKEが開発した実験的なフットウェアコレクション。NIKE史上最低の炭素排出量を記録した4種のスニーカーは、生産方法、梱包素材に至るまで環境負荷を考慮し厳選されている。

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ノイハウス萌菜

使い捨てプラスチックがもたらす諸問題について伝える「のーぷら No Plastic Japan」発起人。Instagramで環境問題にまつわるトピックを投稿しながら、ECサイトで環境にやさしいステンレス製のストローを、プラスチックフリーな包装で販売中。都内複数の実店舗でも販売している。2019年末にオープンした量り売りのモデルショップ「nue by Totoya」の広報担当などでもある。

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haru.

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1995年2月生まれ。プロデュース事業・アーティストやクリエイターのサポート事業を行う株式会社HUGの取締役であり、インディペンデントマガジンHIGH(er)magazine編集長。HIGH(er)magazineでは「私たち若者の日常の延長線上にある個人レベルの問題」に焦点を当て、「同世代の人と一緒に考える場を作ること」をコンセプトにがファッション、アート、写真、映画、音楽などのさまざまな角度から切り込む。

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